起業には「意志」だけでなく、さまざまなものが必要です。
起業して成功するのは簡単ではないため、必要なものを兼ね備えてから起業に踏み出すことがおすすめです。
そこで、この記事では起業で必要なものについて解説します。
具体的に必要なスキルや手続きなどについても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
Contents
起業には明確な目標が必要
まず、起業には明確な目標が必要です。
具体的には、起業したい理由は何か、どのようなアイデアをもとに起業をするのかなどを決める必要があります。
ここでは、以下の3点について詳しく見ていきましょう。
- 起業する理由とその重要性
- 起業のアイデアをまとめる方法
- 起業アイデアがない場合の対処法
起業する理由とその重要性
起業する理由をハッキリさせる必要があります。
「起業ってカッコいい!」「会社で働きたくないから起業したい」
このように漠然とした理由しかないと、事業を継続するモチベーションを保てない場合が多くなります。
一方、理由がハッキリしていれば、そのために努力を惜しまず行動できるようになります。
もし挫折しそうになっても、その度に起業する理由を思い出せば、事業を継続する活力が湧いてくるでしょう。
起業のアイデアをまとめる方法
起業するにあたって、起業のアイデアをまとめる方法について見ていきましょう。起業のアイデアをまとめるには、次のような方法があります。
- すでにある商品・サービスが満たすニーズから考える
- 時代や社会の流れ、世の中にある課題から考える
- 好きなこと・得意なことで世間に役立つものを探す
この中から1つを選んでアイデアをまとめるのではなく、複数のアイデアを組み合わせることがおすすめです。
それにより、今までにない新しいアイデアを生み出すことができるでしょう。
起業アイデアがない場合の対処法
起業アイデアがない場合には、すでにある商品・サービスを中心に考えるのがおすすめです。
全く新しいものを生み出そうと思っても、アイデアは生まれにくいでしょう。
全く新しいアイデアを生み出せたと思っても、世間に求められていないから誰も実現させていないということも十分にありえます。
もちろん成功したときのインパクトは大きいのですが、失敗する確率も高いのでおすすめはできません。
しかし、すでにある商品・サービスを組み合わせて考えれば、ゼロから生み出す必要はなく、アイデアも出しやすくなるのではないでしょうか。
例えば、日本人の多くが手にしているiPhoneは、音楽を聞ける「iPod」と通話機能を組み合わせたできた商品です。
このように、複数の商品・サービスを組み合わせることでも、十分に価値を生み出せます。
ぜひ、すでにある商品・サービスを中心に起業アイデアを考えてみてください。
関連記事:起業は最初が特に大変|成功する人の特徴や成功例を紹介
起業に必要なスキル
起業に必要なスキルには、次の4つがあります。
- 法律知識の基礎
- 効果的な営業スキル
- マーケティングと情報収集の重要性
- 業務遂行能力の向上
それぞれのスキルについて見ていきましょう。
法律知識の基礎
事業運営に関係する法律知識の基礎を知ることが大切です。
具体的には、民法や会社法、労働法、さらには事業に関係する法律も知っておくと良いでしょう。
関係する法律について知らなければ、法律遵守をしているつもりでも法律違反になってしまうリスクがあります。
事業運営ではトラブル回避が重要な役割を果たすため、ぜひ法律知識の基礎を理解し、法律遵守で事業運営を進めましょう。
効果的な営業スキル
起業には効果的な営業スキルも必要です。初めは自社の商品やサービスを知ってもらう必要があるため、たくさん営業活動を行う必要があります。
その際に、効果的な営業スキルがあれば、たくさんの人に自社の商品やサービスを知ってもらうことができます。
すると、サービスの購入や仕事の受注に繋げられる可能性が高まるでしょう。
マーケティングと情報収集の重要性
マーケティングと情報収集も大切なスキルの1つです。
マーケティングスキルがあれば、ターゲット設定や流通経路の設定など、事業運営する上で重要なポイントをおさえられます。
また、競合について情報収集するスキルがあれば、競合との差別化が図れ、市場でのポジション取りに成功しやすくなるでしょう。
業務遂行能力の向上
業務遂行能力も、起業する上で重要なスキルです。
業務遂行能力とは、思考力や分析力、コミュニケーション力など業務を進める上で必要となる能力のことです。
業務遂行能力が高ければ高いほど利益に繋げることができ、事業が成長しやすくなります。
これまでに紹介した営業スキルやマーケティング、情報収集のスキルと一緒に業務遂行能力も向上できるようにしてみてください。
個人事業主としての開業に必要な手続きと税務
個人事業主としての開業に必要な手続きは、次の3つです。
- 開業届の提出
- 青色申告承認申請書の提出(推奨)
- 事業開始等届出書の提出
それぞれの手続きの概要についてみていきましょう。
開業届の提出
開業届は、開業後1ヶ月以内に納税地の税務署に提出する必要があります。
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。用紙は税務署で受け取れるだけでなく、国税庁のWebサイトからもダウンロードできます。
提出方法は税務署の窓口へ直接持参する方法、税務署に郵送する方法、e-Taxを利用する方法の3種類があります。
なお、店や事務所の名前である「屋号」を入力する欄がありますが、決まっていない場合は無理に書く必要はありません。
青色申告承認申請書の提出(推奨)
開業したら、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出することをおすすめします。
青色申告承認申請書とは、確定申告で青色申告制度を利用する場合に提出する書類です。
青色申告制度は一定の条件を満たせば、最大65万円の所得控除を受けられる制度であり、納税額を減らすことができます。
確定申告を税理士に依頼したり確定申告ソフトを用いたりする場合、簡単に青色申告できます。
そのため、ぜひ青色申告承認申請書も提出することをおすすめします。
事業開始等届出書の提出
事業開始等届出書は、都道府県税事務所と市区町村の役所・役場に提出する書類です。
名称や手続き方法は自治体ごとに異なるため、事業所の所在地を管轄する都道府県税事務所や市区町村の役所・役場に確認してみてください。
なお、事業開始等届出書を提出しなくても罰則等はありません。
関連記事:起業したい人のためのサポートガイド|具体的なステップや法的手続きについて
起業するのに必要な資金は?
起業するのに必要な資金はどの程度かかるのでしょうか。開業費用や資金調達の方法について見ていきましょう。
開業費用
開業費用に含まれる費用は、大きく分けて設備資金と運転資金の2つです。
設備資金とは事業を行うために使う設備を購入する資金のこと、運転資金とは仕入れの費用や従業員の給料、オフィスの賃料など毎月発生する資金のことです。
日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、2023年における開業費用の平均値は1,027万円となっています。
中央値が550万円であり、分布では500万円未満が4割を占めているため、開業費用は高くても500万円前後になる場合が多いことがわかるでしょう。
しかし、実際にかかる開業費用は、事業内容や規模によって大きく異なります。
設備資金と運転資金がどの程度かかるのかを計算し、ある程度正確な数値を導き出すことが大切です。
資金調達の方法
主な資金調達の方法には、次の3つがあります。
- 融資を受ける
- 補助金や助成金を活用する
- 出資を受ける
まずは、日本政策金融公庫をはじめとする機関から、融資を受ける方法が考えられます。
融資を受ける場合には事業計画書を作成し、審査に通らなければなりません。
審査に通るには、綿密に練られた事業計画書を作成する必要があるため、必要な資金などを明確にしておくことが大切です。
また、国や地方自治体による補助金や助成金の活用も検討すると良いでしょう。
融資と同じく審査があるだけでなく、要件を満たさなければ補助や助成が受けられない場合も多くあります。
事前に補助や助成の対象であるのかを確認してから申請するようにしてください。
投資家やベンチャーキャピタルなどからの出資も、資金調達の方法の1つです。
将来的に得られるリターンを見込んで出資してもらうため、開業当初は資金調達を得にくいかもしれません。
しかし、返済が不要なほか経営に関するアドバイスやサポートを受けられる場合もあるため、チャレンジしてみることをおすすめします。
関連記事:起業のための資金調達方法とは|自己資金なしの融資のみで起業できる?
【まとめ】必要なものを押さえて計画的な起業を
起業で成功するには「起業したい!」という思いだけでなく、起業する明確な理由やスキル、費用などさまざまなものが必要です。
起業して成功するのは簡単ではないため、事前に準備して失敗するリスクを少なくすると良いでしょう。
ぜひ事前準備を計画的に行った上で起業人生をスタートしてみてください。