誰もが様々な夢を追う中「一度はバンドを組んでみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
ステージで観客を沸かせてみたい、楽器に触れて自分だけの曲を作りたいなどの希望を胸に、バンドマンになる道を選ぶ方もいるでしょう。
しかし夢や憧れをそのまま職業にするということは、売れなければ生活ができないといったデメリットがあります。
今回は売れないバンドマンがどのような現実に直面するのか、また活動を続けるにはどうしたら良いのかについてご紹介します。
Contents
売れないバンドマンが直面する現実
忙しい現代人を支えているといっても過言ではない「音楽」の世界に憧れ、バンドマンを目指したあなた。
そのまま何かの拍子で一気に人気アーティストになれるならば良いですが、現実はそうもいかないでしょう。
売れないバンドマンにはどんな現実が待っているのか、その一例をご紹介します。
バンドマンとして生計を立てられるのはごく一握り
私たちが普段音楽を聴いたりライブで見かけたりするバンドマンは、全体の中のごく一握りです。
大規模なフェスに出演できるアーティストともなれば、全体のわずか数%に満たないでしょう。
SNSなどで曲が有名になったことがきっかけでデビューした人もいれば、下積み期間が長く、十年以上も音楽業界で頑張ってきたアーティストも少なくありません。
忘れてはならないのが、日の光が当たる場所で活躍しているアーティストの影には、何人ものバンドマンが輝く日を待っているということです。
中にはそのままデビューすることなく、道半ばにしてバンドマンを辞めてしまう方も多いはずです。
楽器や機材を維持するのにも、スタジオやライブハウスを借りるのにもお金がかかります。
バンドとは別にアルバイトなどでお金を稼ぐことは必須となるでしょう。
また、バンドマンのゴールはデビューすることだけではありません。
晴れてプロのアーティストとしてデビューをしても、1曲リリースするごとに夢のような大金が入ってくることはありません。
フリーで活動をしている方以外は、レコード会社に所属することとなります。
その場合、CDやライブハウスでの売上は多くがレコード会社の取り分となり、バンドマンの手元に残るのはごくわずかです。
デビューしたとしても音楽に全振りできるほどの資金がなければ、空き時間を使ってアルバイトを続けるほかないでしょう。
いつまで続けるのかについての葛藤
売れない状態が長く続くと、バンド内の関係性が悪くなることもあるでしょう。
先行きが見えない不安から、いつまでこの状態を続けるのかといった声も上がるようになります。
もう少し続けてデビューを目指したい人と、少しでも安定した仕事に就きたい人の意見がぶつかり合えば、バンドを解散せざるを得なくなるケースも出てきます。
こうならないために、バンドを結成する際などに「〇年後までに結果が出なかったら終わりにする」などといった明確な目標を立てておくのが大切です。
デビューを目標としても良し、地元のライブハウスを埋めることを目標としても良し、バンド内で目指しやすい目標を一つ掲げておきましょう。
後からいつまで続けるのかで揉めることがないよう、常にバンドメンバーが同じ方向を向いていられるのが理想です。
技術不足との向き合い方
バンドの中でもボーカルの力量ばかりが注目されやすいですが、実際にデビューした後も成功し続けるためには、楽器隊の技術が必要不可欠です。
既にプロとして活躍しているアーティストの多くは、ギター・ベース・キーボード・ドラムなど全ての技術が安定しています。
それらがボーカルの歌を引き立てているケースがほとんどです。
デビューしたからと安心して練習を怠っていると、自分たちは気が付かないレベルであっても、ファンはしっかりと技術不足に気づき指摘してくるでしょう。
バンドマンの技術不足がどんな原因によるものなのかは、人によって異なります。
個人練習を積み重ねる必要がある方もいれば、プロによる指導を受けた方が良い方もいます。
時には仲間内で、技術不足を指導し合わなければならないシーンもあるでしょう。
こういったトラブルで揉めることなく、各メンバーが向上心を持って取り組むことが必要不可欠といえます。
関連記事:バンドマンに人気のバイトは?【おすすめの職種7選を紹介】
売れないバンドマンが考慮すべきお金まわりの事情
思ったように仕事がもらえず、バンドだけでは生活が成り立たないケースも多い音楽業界。
お金まわりの事情がシビアであるだけに、金銭関係の揉め事が絶えないバンドも珍しくありません。
まずはバンドの収益がどのような仕組みで成り立っているのか、また活動を続ける上でかかるコストにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
収益の流れ
第一にバンドマンが音楽でお金を稼ぐためには、CDや配信コンテンツ・ライブなどを使ってファンから収益を得なければなりません。
既に多くのファンがいる場合は、自分一人の力で収益を得られる場合もあります。
しかし、ほとんどのバンドマンがゼロからのスタートとなるため、収益化できるほどファンの数は多くないでしょう。
そんなバンドマンが少しずつ有名になるためには、先ほどもご紹介したように「レコード会社」と契約する必要があります。
レコード会社はまだ無名のアーティストたちをPRし、ファンの獲得に向けて様々な活動を行います。
その対価としてCDやライブの売上から数割をレコード会社に支払い、残った分がアーティストの取り分となる仕組みです。
極端にいえば、ファンさえ獲得できてしまえば、バンドマンは全ての収益を自分のものにすることができます。
しかし全てのバンドマンがそううまくいくわけではないため、現状レコード会社に所属し、2人3脚で活動を続けるアーティストがほとんどです。
アーティストの手元に残るのは数%
レコード会社や様々な企業の力を借りて活動するアーティストたちは、一体どの程度の収入を得ているのでしょうか。
もちろん各レコード会社とアーティストの間で、どのような契約がなされているのかにもよります。
単にCDを発売するだけでも、CD本体の制作者・レコード会社・小売店と様々な人々が関わっています。
1枚のCDを売り上げたときにアーティストの手元に残る金額はわずか1%ほどで、複数のメンバーがいる場合はこの1%をさらに細かく分ける必要があります。
作詞や作曲をしたメンバーは少し取り分が多くなりますが、それも出版社との取り分が決まっており、手元に残る金額はごくわずかなものだといえるでしょう。
1枚のCDにつき1%が手元に残るということは、3,000円のCDを売り上げても、手元には30円しか残らないということです。
3ピースのバンドならば、1人あたり10円となるでしょう。
毎月何枚ものCDを出せるバンドは多くないため、これだけで生活をしていくのはなかなか難しいものです。
また、近年はサブスクリプションサービスにて、気軽に音楽を楽しめるようになりました。
こういったサービス上で音楽が再生されたとき、アーティスト側には1再生につき0.4~1円ほどの金額が渡るようになっています。
100万回再生された人気曲であっても、アーティストの取り分は40万円から100万円であり、これを全ての楽曲で継続していくのは難しいでしょう。
活動を継続する限りコストがかかる
バンドマンの活動は、CDを作るにしてもライブを開くにしても、全てコストが発生しています。
先ほどもご紹介したように、1枚のCDを作成するのにも複数人の手が加わっており、彼らの収入源は全て「ファンが購入したCDの代金」が元となります。
ファンの数が多ければ多いほど、関わる全ての人に多くの金額が行き渡ります。
しかし、そのためにはたくさんの楽曲を生み出し、数々のライブを行ってバンドを知ってもらわなければなりません。
つまり「活動をしなければ売れない」のと同時に「活動をする限りコストがかかる」ことでもあるため、両者をうまくコントロールする必要があります。
張り切って活動ばかりをしてしまえば簡単に赤字になってしまいますし、赤字を恐れて活動をしなければいつになっても収入を得ることはできないでしょう。
こういったバランスについてはレコード会社としっかり相談し、運営方針を明確にしておくことが大切です。
関連記事:バンドマンの年収はいくら?食えるレベルとはどれくらい?
売れないバンドマンの末路
バンドマンを志す方は数え切れないほどいる一方、バンド一本で生活ができるレベルで活躍しているのはほんの一握りです。
売れなかったバンドマンは単純に生活が成り立たず、アルバイトをしながら忙しい毎日を送ることとなるでしょう。
時にはアルバイトとバンドの予定がかみ合わず、トラブルを起こすリスクも少なくありません。
また、バンド一本で生きてきた人が何らかのきっかけで音楽を諦めてしまったとき、簡単に就職できるかといえばそうではありません。
正社員として働き始めたいと思っても、バンドマンとして生きてきた間に社会人経験がなければ、雇ってくれる企業は多くないでしょう。
アルバイトをしながら仕事に役立つ資格やスキルを取得している場合は良いですが、音楽に詳しいだけで一般企業に入社するのは難しいといえます。
そのため、正社員になれずアルバイトを続けながら、フリーター生活を送る人も珍しくありません。
自分から音楽を諦めた場合ならばまだしも、方向性の違いやメンバーの脱退などでバンド活動を辞めざるを得なかった場合、心の中にはモヤモヤとした感情が残るでしょう。
バンドマンとして活動する際は、万が一音楽を離れたときのことも考えておくと安心です。
売れないバンドマンは活動を辞めるべき?
「売れない」「結果が出ない」といった悩みを抱えているバンドマンは数多くいますが、その中でも諦めずに音楽の道を走り続けている人がたくさんいます。
大切なのは狭い視野の中で前だけを見続けるのではなく、メンバーともしっかりと話し合った上で、別の選択肢を用意しておくことではないでしょうか。
バンド活動が仕事として成立しなかったときのことを、あらかじめメンバー同士で話し合っておくことも重要です。
芽が出ないままバンド活動を続けていると、あんなに好きだった音楽がいつの間にか苦痛に変わり、楽しめなくなってしまうことがあります。
「〇年までは挑戦してみる」などと明確な目標を立て、時には仕事としてではなく「趣味」としてバンドを続けてみるのも一つの方法です。
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今回のバンド活動に関していえば、地方では有力なレコード会社が少なく、ファン獲得に向けて動き出すのが難しいといった現状があります。
都市部であれば、レコード会社が多く目に留まりやすいのに加え、ライブハウスなど設備の整った活動場所も確保しやすいでしょう。
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関連記事:アーティストになりたい!なるために必要な気質、スキルアップ方法を紹介
まとめ
バンドマンとして成功するのは、決して楽なことではありません。
しかし、大切なのは「きっかけ」と「明確な目標」であり、必ずしも売れないバンドマンとして苦しむわけではありません。
大好きな音楽を仕事にしながら生活できるよう、まずは地方から上京を目指し、バンドマンとしての一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。